内容説明
一九七〇年代初頭、アメリカと中国の間に劇的な宥和を生んだ「ピンポン外交」。そこには五〇年前にさかのぼる、一人の男の存在があった…イギリス名門貴族の出身にして、社会主義者、映画プロデューサーで国際卓球連盟会長、アイヴァー・モンタギューの活躍と、卓球を巧みに取り入れてゆく中国の姿を描く。中国が卓球王国となるきっかけを作ったスパイと、激動の二十世紀・年代記。
目次
1 西洋(高貴な幼少時代;反骨精神 ほか)
2 東洋(卓球場の山賊;トロイのハト ほか)
3 東洋と西洋の出会い(にらみあう世界;平和の種 ほか)
4 余波(リターンマッチ;みごとなパフォーマンス ほか)
著者等紹介
グリフィン,ニコラス[グリフィン,ニコラス] [Griffin,Nicholas]
作家、ジャーナリスト。ロンドン生まれ、18歳の時にニューヨークに移る。英国「タイムズ」紙、「フィナンシャル・タイムズ」紙、「フォーリン・ポリシー」誌などに寄稿。政治からスポーツ、自然科学まで幅広くカバーする。現在フロリダ州・マイアミ在住
五十嵐加奈子[イガラシカナコ]
翻訳家。東京外国語大学卒業(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
※書籍に掲載されている著者及び編者、訳者、監修者、イラストレーターなどの紹介情報です。
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感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
Willie the Wildcat
54
卓球創生期を活かした、1個人の自己確立に端を発したイデオロギー闘争と政治的暗闘。嗅覚の鋭さ。手段は、卓球と映画。”表裏”に渡って、東西の架け橋となるべく奔走。但し、007張りのスパイではないことが、MI5/CIAの困惑の要因。無論その上を行くのが中国。周恩来氏がハブとなり、日米ソを翻弄。象徴は、ハブの先端にいた荻村/荘則棟の日中2人の世界チャンピオンの辿った運命の対比。興味深いのが、チャップリン氏が、アメリカで思想を問われた一端を本著で垣間見ることができた点。氏の自伝に記載がないのは、意図的と推察。2019/08/10
ぶ~よん
53
ピンポン外交とは、1971年の名古屋で開催された世界卓球選手権をきっかけに、米中関係が改善した一連の外交活動である。前半は国際卓球連盟会長アイヴァー・モンタギューの半生、後半は荻村伊智朗、グレン・コーワン、荘則棟ら卓球選手、毛沢東、周恩来、ニクソン、キッシンジャーら中米の政治家とピンポン外交について丁寧に説明されている。大衆の娯楽としても、ハードスポーツとしても成立する卓球を政治利用することで、中国は国際的な孤立を免れることができた。中国にとって、単なるスポーツではないことが良く分かる一冊であった。2025/08/30
Koki Miyachi
9
卓球というスポーツの知られざる歴史を知った。西洋と東洋の以外な接点。世界史の一つ裏舞台を生み出した人物とスポーツのお話。面白いけれど網羅的な記述に抑揚を欠くところが少々ツライ。2015/10/11
Masayuki Shimura
2
【卓球の真の歴史とは、スパイ活動、世界情勢の悪化、和解、殺人、復讐、巧みな外交などがからむ、奇想天外な物語である】(文中より引用)・・・・・卓球の歴史にこんなにも興味深い一面があったのかと驚かされずにはいられない一冊。歯切れの良い書きぶりと相まってページを繰る手が止まりませんでした。しっかりと関わった人物のその後まで取材している(そして「その後」がどれも味わい深い)点も高評価です。2021/03/23
BATTARIA
1
一番肝心な主人公が、一番肝心なピンポン外交の本番では、存在感が皆無。 これは邦題のつけ方が大失敗だ。 それにしても、この本に書かれたことが全て真実だとしたら、ガンに冒され、自分が生きているうちにと執念を燃やし周恩来に、ニクソンもキッシンジャーもいいように手玉に取られたってことか。 日本では今なお、周恩来を偉人として讃える人が多いが、この本を読めば、そんな幻想は瞬時に吹っ飛ぶ。2016/03/27
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